嵐の後の爪痕
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大きな木の枝が何本も畑に転がっていました。
大はしゃぎで作った虫よけの野菜達のハウスは、
真ん中からビリビリに裂けていました。
私の畑はまだまだ小さい苗ばかり、それも少量だったのが幸いしたのか、
大きな被害はありませんでしたが、それでも、目の当たりにした貸農園の被害は
あまりにもひどく、ショックな出来事でした。
貸農園への行きすがら、いつも通るインゲン豆をくれたおじさんの畑。
惚れ惚れするような畝と、その傍らに建設中の農具小屋。
全て手作りで、とっても美味しいいんげんを作るおじさんの畑も
野菜達が元気なくしょんぼりとしていました。
おじさんの『全部ダメかもな。』
の言葉に返す言葉もありませんでした。
どれだけ文明が発達しても、便利になったとしても
やはり自然の力には到底及ばず、無力なんだと改めて気付かされました。
とりあえず、大きな枝を除いて、倒れた苗の根元に土を入れて
どうにか応急処置を終えて、家路につきました。
イチゴの苗にまた1つ、白い花がついていました。
逞しいですね。
帰り間際に見つけただけに、小さな花に勇気づけられたような気がしました。